チャイニーズタイペイと中華民国そして日本人が台湾人から学ぶべき2つのこと
あなたは、日本から近い台湾という国をどれくらいご存じだろうか?
台湾は親日国、僕たち日本人にとって、好意的な国として知られているのではないだろうか。
インターネットを見渡してみても、台湾について好意的に書かれている記事が多い。
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インターネットを見渡してみても、台湾を表面上からのみ好意的に捉えた日本人は多い。
僕だって、インリンオブジョイトイとプロレスしたい。
インリンの座り方が大好きだし、あんなエロテロリストのような台湾女性とぜひ仲良くなりたい。
ぜひ、ムチで耳の鼓膜破れるくらい引っ叩いて貰いたいくらいだ。
そう、何を隠そう僕も他の多くの日本人同様に台湾が大好きな日本人の一人なのだ。
しかし。
だが、しかし。
僕は、一体どれくらいこの台湾という国について、知っているのだろうか?
ふと、考えてみることにした。
僕はもちろん台湾にも何度も訪れたことがある。今僕が住むタイから日本へ一時帰国する際も経由地に台湾を選んで、台北で過ごして日本へから帰るほどだ。
千と千尋の神隠しのモデルにもなったと言われる九份にも行った。
南台湾でサーフィンもやった。いい波にも乗れた。高雄のサーファーとも飲み明かした。
僕は、一通り台湾のことは理解しているつもりだ。
しかし、台湾は一体どういう国なのか?と言われると表面上のことしか知らない自分がいることに気がついた。
たしかに、台湾は日本人にとってとても友好的な国なのかもしれない。
たしかに、台湾は美女親日国なのかもしれない。
たしかに、台湾は美人が多いのかもしれない。
しかし、僕が好きな台湾という国に対して、僕はどれくらいこの国を理解出来ているのだろうかと自分に問いかけると胸を張って答えることが出来ない自分がいることに気がついた。
単純に日本人に対して、友好的であるからなのか?
文化が似ているからなのか?
日本から距離的に近いからなのか?
単純に台湾には美女が多いからなのか?
様々な理由がある。
みな、台湾が好きな日本人の理由は千差万別だろう。
僕は台湾人女性といつか結婚したい。
台湾人女性に人生の全てを捧げたい。
だって、台湾人は本当可愛くて、目に入れても痛くないほど可愛いからねー!
台湾女性が可愛いから台湾が好き。
このように考える日本人男性は多いのではないだろうか?
しかし、こういった台湾が好きな理由は、あくまで表面上のことではないのか?
僕自身が台湾について、何度も訪れているにも関わらず、あまりにも分かっていない。
台湾が好きだからこそ、僕は台湾の事をもっと知りたいと純粋に今思う。
もっと台湾の内部、内側を知りたい。
台湾が親日であるからこそ、僕も台湾のことをもっと知るべきだと強く思うのだ。
今回は僕が大好きな台湾について、僕が勉強した事をアウトプットし、最後に日本人である僕が台湾人から学ぶべき二つの事を記載してみたい。
台湾と中国の歴史そして台湾人から日本人が学ぶべき2つのこと
今回は僕たち日本人が知るべき中国と台湾の歴史、そして、台湾人から我々日本人が学ぶべきことを記載したい。
台湾という国の歴史、台湾人の歩んだ苦悩、台湾のもっと内側を知って貰えれば嬉しく思う。
2016年台湾で史上初の女性大統領の誕生
まず、今年、この台湾で大きなニュースがあったので、こちらを記載したい。
今年、2016年1月16日に台湾では、総選挙、総統選が行われた。
日本のニュースでも大々的に報道されていたこともあり、知っている人も多いかと思う。
この総選挙でその当時、野党であった民進党の蔡英文(ツァイ・インウェン)が国民党の朱立倫と親民党の宋楚瑜に大幅な大差をつける形で当選した。25%以上の差がある形での決定だった。
これは実に8年ぶりの政権交代であり、そして、台湾で初の女性総統が誕生した歴史に見ても大きな政治的転換期を意味していた。
そして、この蔡英文率いる民進党は2016年以前に与党であった国民党とは異なり、中国よりでない姿勢を明確に表していた政党だった。
僕はこのニュースを見て、台湾人が蔡英文を総統に選んだということは、台湾人のナショナリズムの高揚の結果なのだと思った。
台湾と中国の関係にハッキリとした態度を台湾人が見せつけた結果なのだと強く感じた。
台湾人の政治に対する関心と姿勢
この2016年の台湾初の女性大統領を決定した中華民国総統選挙の投票率は66.27%だった。
2008年には76%、2012年には74%であり、今回の総統選挙の投票率は台湾の総選挙の中でも最も低い投票率であったことを意味する。
しかし、実際には投票前に今回大統領となった民進党の蔡英文の圧倒的優勢が伝えられていたため、与党であった国民党支持者が投票に行かなかったことが原因だともニュースでは報道されていた。
なので、今回は低かったのだが、元々の台湾の選挙投票率は高い数値を誇っている。少なくとも日本よりは高い。
下記図を見てほしい。これは日本の衆議院議員選挙における年代別投票率の推移だ。
図から見ても分かるとおり、国民の意見を良くも悪くも反映しやすい日本の衆議院議員総選挙の投票率は近年70%にも達していない。
台湾から比べて日本の投票率はずっと低いのだ。
そして、特に顕著なのが若者に対する政治への関心の薄さだ。
20歳代、30歳代の投票率の低さが顕著である。
一方、台湾は若者の投票率、政治の関心が高いと言われている。
実際僕が日本で働いていた時のライバルだった会社の台湾人はこの選挙のためにわざわざ台湾にまで帰国して投票に行ったようだった。
Facebookで台湾 に帰ったことや今回の投票に行ったことがアップされていた。
日本で働いていて、日本でもう何年も生活しているのに、わざわざ台湾にまで戻って投票に行っているのは単純に凄いことだなと思った。
僕も母国を離れ海外で生活しているが、同じことは出来ていない。したいとも思っていない。
日本人と台湾人の政治に対する大きな違いだなとも感じた。
また、今回民進党が国民党を破って選ばれた理由の一つに、ある一人のアイドルの国旗騒動があるともニュースで報道されている。
この一人のまだ16歳という選挙権をも持たない台湾女性が起こした騒動が今回の政党が選ばれた一因になったとも言われているのだ。
ここで僕が何が言いたいかというと、台湾は歴史的に見ても選挙投票率が高い。そして、若者の政治に対する関心も強い。
これは何より、大国である中国との関係にあるのではないかということだ。16歳の台湾少女も中国と台湾の国旗に関しての騒動であった。
今回台中関係に変化をもたらすと言われる蔡英文が大統領に選ばれたのも中国との関係に対する明確な態度を示していたことが大きな理由であるように僕は思うのだ。
蔡英文が大統領に選ばれたのは、台湾人が台湾人であることに誇りを持っている表れなのだと感じた。
台湾と中国の歴史
この台湾の新大統領を生んだ背景にある台湾と中国の関係について、歴史を少し読み解いてみたい。
中国は第二次世界大戦後の1945年10月から国共内戦と言われる内戦状態に入っていた。今の台湾を統治する中華民国の国民党と今の中国を統治する中華人民共和国の共産党がこの内戦で戦った。
この内戦で実質的に敗北した蒋介石率いる中華民国政府は台湾へと撤退し、台湾を統治する形となった。
これが今の中国と台湾が出来た歴史的な経緯だ。
非常に簡単にまとめているが、内戦で今の中国と台湾の形が生まれたのだ。
詳細な経緯は、下記記事を一度読んでみてほしい。
この国共内戦という中国の内戦が現在の中国と台湾を作り上げたのだった。
そして、今もなお中国は台湾のことを国として認めていない。
現在、中国は台湾のことを台湾省と名目上呼んでいる。
要するに中国は台湾を中国の国の一つの省であると考えているのだ。
中国とは世界に一つだけであり、二つはないという「一つの中国」という考え方だ。
国共内戦が行われ、すでに半世紀以上経過し、実質的に中華民国が台湾を統治しているにもかかわらず、中国は台湾を国として認めていないのだ。
僕は台湾をずっと国だと思っていたが、それは日本人の僕の考えで中国の解釈からすると誤りであるということになるのだ。
しかし、一方台湾はすでに1996年には初の政権交代も果たし、民主化も果たしている。
実質的には日本人である僕が考えるように一つの国として成立しているのが実情だ。
しかし、中国は台湾の事を国として認めていないのだ。
台湾人が政治的に受けている差別
前述したように台湾は中国から国として認められていない。
中国(中華人民共和国)は、台湾を含めた形で中国という国を統治している事を主張している。
一方台湾は、中国本土を含めた形で中華民国という国を統治している事を主張している。
台湾、中国お互いの主張が異なる中、国際社会では実は中国の主張が認められている。
実際、アメリカは中華人民共和国を中国の唯一の合法的政府としていて、台湾は中国の一部としている。日本も韓国も中華民国の主張は支持していない。
国際社会も中国の主張を正としているのが実情であることが分かる。
これは中国が実質中国本土を等している大国が故の理由だろう。
世界には196か国存在していると日本の外務省は定義している。この国の数は日本政府が国として認めた数の総数である。
この中に台湾は含まれていない。
つまり、日本政府は台湾を国家として認めていないのだ。
なので、日本人である僕が台湾を国として認識していたのも、そもそも日本人としても誤った認識であったのだ。
また、台湾は国際連盟にも加盟していない。
実際には1971年のアルバニア決議でその当時国連安保理常任理事国であった台湾は、実質内戦に勝った中国(中華人民共和国)と入れ替わる形で国連から脱退したのだった。
世界的に見ても、国際社会からも中国が国家として認められていて、台湾は国として認められていないのが実情なのだ。
そして、2016年、今週の金曜日からブラジルのリオデジャネイロで夏季オリンピックが開かれる。
世界中の国々が集まる4年に一度の一大イベントだ。
このリオ五輪での開会式で、是非台湾の選手を見てほしい。
台湾の選手たちは、台湾という国ではなく、チャイニーズタイペイという呼称で、僕たちが知っている台湾の国旗ではないチャイニーズタイペイという国旗で入場してくるだろう。
自分の国の国旗ではなく、その代わりにチャイニーズタイペイという国旗を背負って出場してくるのだ。
それは何より国際社会が台湾を国として認めていないからだ。
僕は、今回このことを知って、いたたまれない気持ちになった。
なぜなら、恥ずかしながら、僕は台湾のことをずっと国だと思っていた。しかし、それは世界的に見ると異なることだったのだ。日本人としても誤りだった。
詳しい台湾の歴史を知りたければ、下記記事を読んでみるといいだろう。先史時代から現代に至るまで詳細に台湾の歴史について知ることができる。
台湾人から我々日本人が学ぶべきこと
今回、僕が台湾の歴史を勉強するにあたり、日本人である僕が学ぶべきことがあったと感じた。
最後にアウトプットとして記載しておきたい。
その1.日本人としての意識
台湾人は今見てきたように歴史的に大国中国と戦い、国際社会にも国として認められていないという状況がある。
このような背景があるので、台湾人のナショナリズムは非常に強い。
前述した蔡英文が大統領に選ばれたのもそういった背景があったからだろう。
僕は彼ら台湾人を見ていて、彼らの歴史を知り、僕自身も日本人として日本のことをもっと知らなければならないと純粋に感じた。
日本人がどういった歴史を辿ってきたのか。どういった文化があるのか。しっかりと自分の中で知っておく必要がある。
僕は台湾を国だと思っていたが、日本は台湾を国として認めていない。
僕は全くもって間違った日本人としての認識を持っていたのだ。
さらに僕は日本を出て海外で生活している。
海外の人たちに日本のことをしっかり説明することができる位にならないといけないとも感じた。
日本の歴史や文化を理解していることが日本人であることなんだと強く感じるに至った。
その2.政治への参加・関心
前述した通り、日本の投票率は低い。特に20代、30代の投票率は著しく低い。
若者は政治に関心がないと言われても仕方ない投票率だ。
たしかに、こうなってしまうのも仕方ない部分がある。
なぜなら、日本の政治家はその場限りの公約を発言して、その場限りの対応ばかりをするからだ。
誰に投票しても結果は同じだと考えている。僕自身もそうだった。
僕は投票率が低いのは日本の政治家にも責任があると強く感じている。
本当の政治とは、世の中を良くするために行われるべきだし、私利私欲のためにその場限りの対応をするものではない。
日本のテレビを見ていても、うんざりするほどの汚職や下らない事件がマスコミを連日賑わせている。
今後何百年も後世に渡って笑い者にされるようなバカバカしい事件を起こしている政治家ばかりだ。本当にほんとうにうんざりするようなニュースが多い。
そういった背景があったので僕も政治に関心が薄かった。
ただ、やっぱりそうは言っても政治に対しては、しっかり自分の意見を持つべきだし、投票にもしっかり自分が考えていくべきだと台湾の今回の総統選を見て感じた。
もし、僕が選んだ政治家が汚職をしたらそれは僕の見る目がないということで整理もつく。
台湾の若者の政治観や彼らが置かれている状況を見ていると僕ももっと真剣に日本の将来や置かれている状況を見て投票をしないといけないと感じた。
今後日本の政治についてももっと勉強して自分の考えを持っていたいと感じるに至ったのだ。
最後に
実は今年、蔡英文が大統領に選ばれるほんの少し前、台中関係においては、中国の習近平国家主席と台湾の馬英九総統が昨年11月、1949年の中台分断後初の歴史的な中台首脳会談を行ったばかりだったのだ。
台湾と中国、お互いそれぞれの政府が歩み寄ろうとしていた。
しかし、台湾の一般民衆はこの会談を台湾が中国に飲み込まれると判断し、今回の総統選の結果を生んだのかもしれない。
その結果が野党であった政党が選ばれた結果なのかもしれない。
正直に詳しい事情は、僕にはわからない。
また、台湾人、中国人ではないので、外野にいる日本人である僕が口出しをする問題ではないとも感じている。
台湾、中国の政治に対して僕がとやかく言える立場にはない。
しかし、この台湾と中国の関係について、僕は一つだけ最後に強く伝えたいことがある。
日本に住む台湾人の話を最後にさせていただきたい。
僕の友人である台湾人の彼には多くの中国人の友人がいるのだ。
それもそのはずで、彼は僕が以前勤めていた会社のライバル企業であったある中国の巨大IT企業に勤める台湾人だったからだ。
中国人の多くが働く会社で台湾人の彼は中国人たちと共に働いていたのだ。
台湾と中国政府はお互いを認めていない状況である、
そして、国際社会も台湾を国として認めていない状況ではあるのだが、台湾人の彼には多くの中国人の友達がいたのだった。
中国では認めれらていないFacebookを使用して、仕事以外でも繋がりが彼らにはあった。非常に仲の良い間柄だった。
台湾人の彼からは、元々は福建省に起源を持つ台湾人であるとも聞いたことがある。
元々は同じ場所に住んでいた者同士でもあるし、同じ言葉を話す彼らが仲良くなるのは至極当然のことのように思った。
ここで、僕が最後に何が言いたかったかというと、台湾と中国という国や政府の間ではお互いの存在は認めていないのかもしれない。
しかし、民間レベル、市民レベルでは全ての中国人、台湾人がお互いの存在を認めていないわけではないということ。
世界には台湾と中国のように関係が悪い国同士が多くある。
しかし、相手を国、国境、民族、人種、肌の色で判断するのではなく、いち人間として、いち友人として接することが大切なのではないかと強く僕は思うのだ。
中国と台湾の政府間の関係と一般市民レベルでの関係には大きな違いがある。
そう思うと、一体、国とか国境って何のためにあるのだろうか?
台湾と中国の政府間の関係そして、市民レベルでの関係を見て僕は今回こう強く思った。
人間が決めた国や国境というのは、争いの為にあるような気がしてならない。