日本の外資系企業の日本人とタイの日系企業のタイ人は境遇がめちゃくちゃ似ている。しかし、一つの絶対的な違いがある
私は日本では外資系で働いていた。
今、タイでは日系企業で働いている。
外資系企業で働く日本人とタイの日系企業で働くタイ人は境遇がとても似ている。
当たり前の話になるが、どちらの場合も自分の国とは異なる国の会社で働いている事になる。
今回外資系企業で働く日本人とタイの日系企業で働くタイ人の似ている点
今回外資系企業で働く日本人とタイの日系企業で働くタイ人の似ている点と大きく異なる1つの違いについて記載していきたい。
似ている所 その1.駐在員と共に仕事し、本国を向いて仕事しなければならない。
日本の外資系企業もタイの日系企業も本国から駐在員が来て、Vice PresidentやDirector等の重要なポジションを担う。
外資系で働く殆どの場合は彼ら駐在員の下で働く事になる。
タイの日系企業で働くタイ人も同じで日本人が上層部について、彼らの下で働く事になる。
私が日本で外資系で働いていた時も日本へ駐在で来ている外国人駐在員の下で働いていた。
タイ人も基本的には日本人駐在員や現地採用の下で働く。
また、日本だけで判断出来ず、外資であればその国に本拠を構える本社にまずは伺いを立てて物事を進めないといけない。
日本では絶対に必要な事なのに世界的に見たら必要ない事であれば実装して貰えず、絶対に必要なサービスも提供できない事もあった。
所詮、外資と聞こえがいいが、日本支社であり、ビジネスが上手くいかなければ本社判断で即撤退もありうる。
本社を向いて仕事をしなければならないのが外資系だ。
これはタイの日系企業に働くタイ人に対しても同じことが言える。
どんなに必要でも本社がOKを出さなければ何も出来ない。
ビジネスをしている対象が、タイ企業だろうが、タイ人だろうが、日本を向いて仕事しないとならないのだ。
似ている所 その2.昇進するのが難しい
外資系企業では絶対数的にマネジメント層は企業が本拠地を構える国の人が付く。
タイの日系企業であれば日本人がほとんどマネジメント層につく。
本国の人を差し置いてマネジメント層に着くのはかなり難しい。
絶対に出来ない訳ではないが、狭き門である。
タイの日系企業では秀でた能力があるタイ人が日本人を押しのけて上にのし上がっていく。
外資系で働く日本人も同じだ。
特に私が働いていた会社は外人比率が高かった。
日本でのローカライズ、現地化は余りされてなかった。
日本の企業で日本人が昇進していくよりも、外資系で日本人が昇進していく方が難しい。
以前の記事でタイ人はすぐ会社を辞めるという記事を書いたが、
これもタイ人が会社を辞める大きな原因の一つになるのかもしれない。
なかなか簡単には上には行けないのだ。
もしかするとタイのローカル企業、例えばPTTやタイ航空などのタイ企業ではそこまでタイ人の離職率は高くないのかもしれない。
タイ人の離職率を低くするには日本の企業はもっとタイでローカライズしていく必要があるような気がする。
話はずれたが、外資系企業で働く日本人とタイの日系企業で働くタイ人は昇進していく事が難しいという共通点がある。
似ている所 その3.言語が一番重要。その国の言語を流暢に話す人が上に行きやすい
日本で働いていた時に私の直属の上司は日本人だった。
私の会社はIT会社であったが、その直属の上司はITや技術的なスキルは全くなかった。
バックグラウンドもドイツの銀行から転職してきた人だった。
ITに関しては何も分からないど素人だった。
自社で展開する製品に重大なバグがあったり、作業手順に大きな誤りがあって事故を起こした時も技術的なアドバイスは一切もらえなかった。
ただし、30人ほどの社員を纏める課長という重要な役職についていた。
技術的な事は何も知らないのに、自己主張の強い外資系エンジニア社員を30人も纏めていたのだ。
何故この人にそれが出来たか?
私の課長は英語が誰よりも上手だった。
通訳レベルでも行けるほどの英語力を持っていた。
この英語力一つで課長の座を手にしていた。
英語だけでのし上がって行ったのだ。
私の先輩で物凄く技術力の高い先輩がいた。
この人は技術力だけでなく、皆からも慕われていて物凄く信頼されている人だった。
問題が起こった時も先頭に立ってお客さんの所に謝りに行ってくれた。
夜中だろうが、場所が遠かろうが、何か起こった時はいつもみんなを助けてくれる人だった。
おそらくこの先輩と課長を比べると信頼度はこの先輩の方が高かったと思う。
私自身もこの先輩を課長よりも信頼していたし、課長になって欲しいと感じていた。
理由は技術的な事が何もわからない課長が自分の評価、昇進などの査定が出来るわけないと考えていたからだ。
しかし、この先輩には大きな欠点があった。
それが英語が駄目だったところだった。
英語力だけで判断すると先輩と課長では圧倒的な差があった。
英語は外資系企業で働く上で一番欠けてはいけない事なのかもしれない。
極端な言い方になるが、技術力よりも信頼度よりも英語が重要なのだ。
なぜなら、彼らは英語を使ってしっかりと本国の企業に報告をしないといけないからだ。
そして、駐在できている外国人と密な関係を築ける、ラフな言い方をすると気に入って貰えるのが
英語が流暢に話せる日本人なのだ。
これはタイの日系企業で働くタイ人に対しても同じことが言える。
日本語が話せるタイ人は重宝される。気に入られやすい。
日本語が分かるだけで話のニュアンス、雰囲気も感じ取ってもらえる。
これは日本人にとってめちゃくちゃ楽だ。
日本語を話すタイ人はマネジメントする日本人にも気に入られ、会社の上の方にも行きやすい。
昇進しやすいのが日本語を話すタイ人だ。
外資系企業で働く日本人とタイの日系企業で働くタイ人は本社で使用されている言語を使用出来る事が重要という共通点がある。
外資系企業で働く日本人とタイの日系企業で働くタイ人の大きな違い
ここまでは共通点を挙げてきた。
日本の外資系企業で働く日本人は外国人駐在員の下で働く。
タイの日系企業で働くタイ人は日本人駐在員の下で働く。
お互い本国の企業を向いて、駐在員の下で働いて行かなければならない。
最後に大きく異なる点がある事を記載していきたい。
この共通点が多い日本人とタイ人の間にある大きな違い。
それは日本人は働きすぎだという点。
日本人はどんなポジションであれ、境遇であれ、どこで働いていようが、お構いなしに働きまくる。
日本の外資系企業で働く外国人駐在員はそこまで働かない。
自分の仕事が終われば直ぐに帰るし、スタバに行ってスタバで呑気に会議したり優雅に仕事したりもしている。
しかし、外資系企業で働く日本人は鬼のように働く。
我慢比べ、体力勝負という言葉しか思い出せない程、私自身日本の外資系企業に属していた時は働いていた。
一方タイの日系企業で働くタイ人はほとんど働かない。
日本の外国人駐在員よりも働かないかもしれない。
日本の外国人駐在員はマネジメント層でその下で働く部下である日本人は一生懸命働くというのは理に適っている。
しかし、タイでは日本人の下につくタイ人は上司であるタイ人よりも働かない。
タイ人部下が起こした問題もタイ人本人は微笑みで済ますが、その尻拭いをするのは上司の日本人だ。
日本人は上司だが、部下であるタイ人よりも絶対に働いている。
日本人はどこでも鬼のように働いているのだ。
これが外資系企業で働く日本人とタイの日系企業で働くタイ人の大きな違いだ。
最後に
世界的に見ても、他の国の人と比べても絶対に日本人は働き過ぎだと思う。
私自身も日本までとは言わないが、タイでも結構働いている。
なぜ、日本人は働きまくるのか?
仕事が好きなのか?責任感なのか?
なぜここまで時間に正確なのか? 何をそこまで急いでいるのか?
日本人の良い所ともいえるし、おかしな所とも言えるかもしれない。
私自身、この答えは未だに分かっていない。