プロサーファーに教えて貰ったマジックボードを見つける一番の方法
サーフィンを続けていくと、どうしても色々なサーフボードを乗りたくなってしまいます。
自分にとっての最高の板を手に入れたいという想いから、色々なサーフボードを試したくなってしまうのです。
サーファーの間では、マジックボードと呼ばれ、文字通り魔法の板、魔法を得た最高の感覚を味わえるサーフボードを意味する言葉です。
サーフボードの調子良ければ、自分のサーフィンもきっと大きく変わるとサーファーは信じているんです。
多くのサーファーが自分にとってのベストなサーフボードを探しています。
しかし、自分にとっての最高のサーフボードって見つけるのが非常に難しいんです。
僕は自分の先輩であった湘南のプロサーファーからマジックボードについて、あることを教えて貰ったことがあります。
この先輩に教えて貰ったことこそが、最高のサーフボードを見つける一番の方法だと今では思うに至っています。
最高のサーフボードであるマジックボードを手に入れる為の一番の方法
今回はサーファーにとっての永遠の課題でもあるマジックボードについて、僕の先輩である湘南のプロサーファーから教えてもらったことを記載していきたいと思います。
サーファーにとってのマジックボードとは?
まず、サーファーにとってのマジックボードとは何かについて記載したいと思います。
サーフィンは個人スポーツです。
なので、一人一人のマジックボードの定義は異なるかもしれません。
全員のサーファーに当てはまるとは限りませんが、僕にとっての最高のサーフボードの定義とは、
『どんな波でも自分にとって最高のライディングが出来るサーフボード』。これこそがマジックボード。
どんなに良い波でも、思ったようにライディングが出来ないことがあります。
これでは、自分にとって良い板とは言えません。
一方、波が悪くても良いライディングが出来たら、それは自分に合っている板と言えるでしょう。
どんな波でも最高に気持ちの良いライディングが出来たなら、その板がマジックボードだと僕は思うんです。
多分多くのサーファーにとってのマジックボードの定義と同じだと思います。特別なことは何も言っていません。
自分にとっての最高のライディングを可能にしてくれるサーフボードがマジックボードなんです。
僕たちサーファーは、最高の波を探し続けるかのように、自分にとって最高のサーフボードも探し続けているんです。
サーファーがサーフボードを選ぶ時に気をつけなければならないこと
前述したとおり、サーファーにとってのマジックボード、本当に良い板とは一人一人異なるものです。
自分の身長や体重、そしてどういったサーフィンをしたいかで、自分にとっての良い板という定義は異なってきます。
例えば、プロサーファーが『最高』と言ったサーフボードが、必ずしもアマチュアサーファーにとっての『最高』な板とは言えません。
プロのライダーは、ロッカーを強めに入れてホレた波でも対応出来るようにしていたり、ボードの長さは短め、幅も狭くとって回転性、自分の脚力でスピードを出すことを重視している傾向が強いです。
こういったサーフボードに、初心者が乗るのはまず難しいです。テイクオフすらままならないでしょう。
サーファーのレベルによって、サーフボードの良し悪しは判断出来ないんです。
また、自分がどういったサーフィンをしたいのかによってもボードの特性は異なってきます。
スピードを重視するサーファーなら、ある程度ボードの長さをとって直進性を重視します。
ロッカーも弱めにすれば、テイクオフが早くなります。厚みも浮力を持たせる意味では、ある程度の厚さを持った方がライディングのスピードは早くなります。
しかし、このようなスピードを重視したサーフボードは、エアーを決めたいと思っているサーファーにとっては、良い板とは言えません。
エアーなどのトリック系の技をするならば、極力板は短く、幅も狭く、厚さも薄くしなければいけません。
スピードを重視するサーファーとは真逆のサーフボードを選ばないと駄目なのです。
また、サーファーの身体的特徴も考慮する必要があります。
身長180cm、90kgのサーファーと160cm,70kgのサーファーでは出来る事も異なってきます。
そのサーファーが何をしたいか、自分の身体的特徴によっても、サーフボードの良し悪しは判断出来ないんです。
そして、海外で非常に高い評価を得ているサーフボードも、日本で良い板になるとも言えません。
海外と日本では波の質・条件が異なるからです。
海外の方が日本よりもリーフ、ビーチ共に全体的にパワーは強くなる傾向が強いです。
海外で良い評価を得ていても、それが必ずしも日本のサーファーにとっての良いサーフボードにはならないんです。
大抵海外のサーフボードは板が短め、薄めに作られています。
これは波のパワーが強く、波が大きいポイントが多いということの裏付けでもあります。
日本の波ならば、海外に比べて波が小さくパワーが弱いので基本的には板はある程度ボードを長めに作って、幅および厚さも海外よりも余裕を取る必要が出てきます。
サーフィンするポイントによっても、サーフボードの良し悪しは変わってくるんです。
その他にも板には色々な特徴があります。
ボードの素材はウレタンか?EPSか?どの素材で作れば良いのか?
テールはスカッシュがいいのか?ラウンドがいいのか?スワローテイルか?フィッシュテールか?それともラウンドピンがいいのか?
コンケーブは強めに入れたほうが良いのか?
フィンはFCSとフューチャーどっちがいいのか?3フィンか?クアッドフィンか?5フィンか?
どのタイプのフィンを刺せば良いのか?
そのポイントの波のサイズや質、玉石、リーフ、ビーチなどの条件によって、サーフボードの素材等々も色々考える必要が出てきます。
ショートボードか?ロングボードか?という1パターンや2パターンの選択肢だけじゃなく、数多くの組み合わせから一本のサーフボードができているんです。
自分の身体的な特徴である身長や体重、自分がよくサーフィンをするポイントの特徴を理解して、それに合ったサーフボードを探す必要があるんです。
サーフボードを作る上での組み合わせは千差万別なんです。
ここで何が言いたいかというと、『自分にとってのサーフボードを見つけることは非常に難しい』ということです。
色々な条件があって、その条件にあったサーフボードを見つけないといけないのです。
これがマジックボードを見つけることを困難にしている原因に他なりません。
みな、サーファーは色々な選択肢があるせいで、苦労しているのです。
マジックボードを探し続けていた僕の経験
僕自身もサーフィンを始めてから、ずっとマジックボードを探し続けていました。
僕だけでなく、周りの友人サーファーたちも僕と同じでした。
僕は今までにたくさんのサーフボードを購入してきました。
今までに全部で新品、中古品を入れて10本は購入したと思います。
特注でサーフボードも買いましたし、ブックオフなどの中古品ボードにも手を出しました。ハワイやバリ、オーストラリアなどの海外でも板を買ってきました。
短い期間では半年とかで、板を乗り換えて、色々な板に乗ってきたんです。
やっぱり、板の調子がサーフィンに影響すると思っていたので、色々な板に片っ端からトライしました。
大学生の時はお金が無かったのでサーフショップに借金までして、ローン組んでまでして購入したりしていたんです。
色々な板に乗ってきたわけなんですが、結局、結果的にはなかなか自分にとって、しっくり来る板が見つからなかったんです。
買っても、買ってもなかなか自分に合うしっくりくる板が見つからなかったんですね。
やっぱり自分にとっての最高のサーフボードを見つけるのは容易ではないと自分の経験からでも思います。
僕自身が数多くのサーフボードを買ってきて、そう強く思うんです。
そして、サーフィンを始めてから、数年経ったある時に先輩であったサーフショップのサーファーに言われたことがあります。
毎年のようにサーフボードを購入する僕に対して、いつも一緒にサーフィンしていたプロサーファーの先輩からアドバイスを貰ったんです。
たわいもない車の中でのサーフィン談義だったんですが、このプロサーファーから言われた言葉が、今思えば僕にとってマジックボードを見つけることが出来た言葉だったんです。
プロサーファーから教えて貰ったマジックボードの見つけ方
板を買い続けていた僕に対して、先輩が言った言葉。
それは、『愛着を持って、一本の板を使い続けろ』ということでした。
もうこれだけでした。
最初これを言われた時は、正直、半信半疑でした。
なぜなら色々な板に乗ってこそ、自分にとっての最高の板が見つかると信じていたからです。
相対的に試さないと自分にとって良いサーフボードがどうかなんてわからないだろっていうのが僕の理論でした。
しかし、先輩から言われたことは、『同じ板に乗り続けろ』の一点張りでした。
『サーフボードは使い続けているうちにどんな板でも自分の体に合ってくる』
『長いこと同じ板に乗れば、その板の特徴も次第に分かるようになってくるし、そのサーフポイントでの乗り方もいづれ分かるようになる』ということでした。
僕もこの言葉を言われてから、半信半疑だったんですが、同じ板を数年使い続けることにしました。
そして、気づいたら段々その板が自分のライディングにしっくりくる板になってきてたんです。
いつの頃からか覚えていませんが、今ではこの板が僕にとってのメインボードであり、マジックボードでもあります。
今僕は海外に住んでいますが、海外にも持ってきている板がこのサーフボードです。
この板は、6’1の市販品の板で、オーダーメイドで作ったボードではなかったのですが、僕にとってのマジックボードになったんです。
確かに先輩の言う通り、長く乗り続けていくと板のクセが分かってくるんです。それに合わせて自分のライディングも変化していきました。
そして、今ではこの板だけでサーフィンするようになりました。
また、海外に行く時も他の板と合わせて、必ず持っていく板になっています。
僕の経験上、色々なサーフボードを試すことは悪いことではないと思います。
板によって乗り方とかスピードの出方も全然違うので、色々なサーフボードを試すのはアリだとは思います。
しかし、僕自身はこの先輩が言ったことと同じように一つの板を使い続けることの方が重要だと思います。
僕自身今思えば、所属していたサーフショップの口車につられて、毎年のように板をオーダーメイドで作っていました。
サーフボードって結構毎年進化しているんです。
フィンがクアッドに増えたり、ボードの素材が変わったり、色々毎年トレンドのようなものがあります。
そして、毎年のように僕は板を買っていたわけなんですが、今思えばサーフショップの営業トークにまんまと乗せられていたなとも思うんです。
やっぱりサーフショップもサーフボードが一番利益を出す商品ですから、売りたいんです。
慈善団体ではないので、ビジネスとしてもサーフボードを売らないと商売にならないんですね。
だから、サーフショップの人は結構板を買うことを進めてきます。オーダーメイドで作った方が良いと言ってくるんです。
少し話がずれましたが、まずはいつもサーフィンするポイントにあったボードを見つけましょう。
そしてこれは、サーフショップの人にしっかり聞いて買うべきです。
やっぱりその海の近くにいるショップの人は海のことを熟知しているので、あなたのサーフィンレベルに合わせて、且つそのサーフポイントの特徴を把握した上でのサーフボードを提案してくれると思います。
そして、この次が重要なんですが、これと決めたサーフボードを購入したら、その板で何年もサーフィンを続けることです。
これがマジックボードを見つける一番の方法だと思うんです。
このことを僕は先輩から教えてもらいました。
そして実際に僕自身も使い続けてきたサーフボードがマジックボードになるに至りました。
マジックボードを見つける一番の方法であり、近道は同じ板に乗り続けることだと声を大にして伝えたいです。
最後に
マジックボードを探す方法はいろいろあります。
でも、僕は先輩が教えてくれたように、一つの決めた板を使い続けていって、その板をマジックボードにすることが一番理に適っているという結論に至りました。
サーフボード自体は高価なものですし、何本も気軽に購入できる代物ではありません。
もし、あなたも板を買い続けて自分にとってのベストな板が見つからないのであれば、一度同じ板を使い続けてみると良いと思います。
一人の女性を愛するように、サーフボードも一つのボードをずっと使い続けるんです。
一つのものを愛し続けることがサーフィンでも重要なんだと思います。
彼女もサーフボードもKeep Only One Loveでいくべきなんですよ!
他の板に浮気は止しましょう!
一つの板を使い続けていれば、きっといつの日か、使い続けているサーフボードがあなたにとってのマジックボードになってくれることでしょう。Keep Surfing!!