バンコクのテロ容疑者の現状手がかりと警察がすべき2つのこと
8月20日現在いまだエラワンの祠で起こった爆発テロの犯人は捕まっていない。
監視カメラには既に犯人と思われる容疑者の映像が出回っている。
犯人が背負っていたバックパックをエラワンの祠内のベンチに置いている姿も公開されている。
ほぼ容疑者はあの映像の黄色いシャツを着た男で間違いないと言っていいだろう。
あそこまで派手な服装をして、最も監視が厳しいエリアでの映像が取られていれば、いつ捕まってもおかしくはないと思っていた。
しかし、未だ捕まっておらず、犯行声明も出ていない。
メディアではこの容疑者は外国人だと言われている。
なぜなら、爆発が起きた後にこの容疑者はエラワン廟から400メートル離れた所からバイクタクシーに乗り、その際に携帯電話で英語、タイ語とは異なる言語を話していたからだ。
バイクタクシーの運転手も何語か分からなかったということだった。
ルンピニ公園近くでこのバイクタクシーを降りてその後この容疑者の行方が分かっていない。
タイ南部、ウイグル族、赤シャツ、イスラム過激派等の色々な犯行説が出ているが、外国人の組織が関与している可能性が高い。
しかし、この事件が起きる数日前にFacebookであるタイ人が犯行予告とも取れる書き込みをしていることから外国人だけで行ったテロとも考えずらい。
また、ファランポーンからエラワン廟に向かったという情報もある。
ファランポーンの周辺で外国人に有名な場所と言えば、カオサンロードだ。
カオサンには多くの外国人が集まる。
そして、カオサンに集まるのは良い外国人だけではない。
色々な外国人が集まる。犯罪も実際に起きている。
外国人による模倣犯、愉快犯の可能性も否定できない。
外国人旅行者がバッグをエラワン廟に置いてくるよう頼まれただけの可能性もなくはないだろう。
同じくエラワン内を映した防犯カメラ内に映っていた不審な男2人も共犯者として疑われていたが、無関係であることが分かった。
これ以外にも防犯カメラに映った男と似ているというだけで被疑者扱いされた外国人は多い。
エラワン廟という場所は2010年にバンコク騒乱が起きた場所でもある。
そして、2015年今年2月にも今回の爆弾のタイプとは異なるが、今回と同じように爆弾が仕掛けられ爆発している。
このBTSチットロム周辺は何かしらの意味がある場所でもある。
しかし、今回は外国人が行っている事とタイで使用されるのとは異なる種類の爆弾が使用されており、同一犯とは考えずらい。
とにかく、情報が錯そうしていて、容疑者が誰なのか分かっていないのが現状だと感じる。
警察もここまで情報を一般に展開し、情報が錯そうしているのは、ある意味有力な手がかりが掴めていない事の裏付けなのだとも感じる。
警察がすべきこと その.1 市民の安全を守る
犯人逮捕に時間が掛かっているが、私が考える警察がまずすべきことは市民の安全を守る事だと思う。
この事件が起きてから、Bang Khaeで爆発が起きたという誤情報やBTSナナ駅で爆発物に似た置物が置かれ市民を混乱に陥れるような事件も発生している。
2011年9月11日アメリカ同時多発テロが起こった際も数千を超えるテロを示唆する嫌がらせの電話が警察関係者に殺到したという。
これからもこういう誤情報やバンコク市民を恐怖に陥れるような事件が起きてもなんら不思議ではない。
警察はまず第一に市民の安全を守るよう常に監視、このような行動の防止をすべきだ。
これ以上爆発が起きたら、福島第一原発の時の日本の様に多くの外国人が日本から出国していった時と同じ現象に陥るだろう。
そして、タイを中心に活動している日本企業もベトナムやミャンマーへと投資対象をシフトしていくと思う。
実際に日本企業のこの動きは現在高くなってきている。
これにさらに拍車をかける事になるだろう。
警察がすべきこと その.2 容疑者を特定、逮捕する
そして、次に警察に行ってほしいことは容疑者を特定、逮捕すること。
まず、ルンピニ周辺を徹底的に調査
まず、容疑者の手がかりを徹底的に確認すべきだと思う。
ルンピニ公園でバイクタクシー降りたという事はその周辺のCCTVを確認、目撃者がいないかどうか確認すべきであると思う。
容疑者は事件当時派手な格好をしており、外国人であった為ある程度印象には残る。
目撃者がいて何ら不思議はない。
もしこのエリアでCCTVに映っていなかったり、目撃者がいなければこのエリアに滞在している可能性が高い。
徹底的にルンピニ周辺を調べるべきだ。
そして次に私が最も警察が確認するべきだと思う点について記載したい。
それが容疑者が使っていた携帯の形跡を追跡することだ。
携帯電話の通信履歴を調査
ルンピニ公園までバイタクに乗ってその際に携帯電話を使用して外国語を話していたという情報がある。
もし、この容疑者が携帯電話をずっとONにしていたならば、エラワン廟からルンピニ公園までの携帯電波を受信していた形跡を辿ればいい。
そして、通話していた先の情報も収集すべきだ。
おそらくこの容疑者が外国語を話して通話していた通信先に容疑者の仲間、組織がいるのであろう。
携帯電話の電波というのはある一定の距離で電波を発する機械が設置されている。
数キロ単位で電波を発する無線基地局が設置されている。
この機械からの電波を受信して携帯は通話可能なのだ。
この事件が起きたチットロム周辺は人口過密地域であり多くのユーザをカバーしなければならないエリアだと想定される。
おそらく半径数百から500M単位の短い距離感覚で無線機を設置している可能性が高い。
人口過密地域の無線基地局が発する携帯電波はカバレッジエリアが狭いと考えられる。
容疑者が電源をONにしている限り携帯は電波を受信し続け、各携帯キャリアにユーザの情報が登録されている。
無線機は一つのセルで管理されておらず、セクター分割や周波数を事細かく振り分けられており、携帯が移動をして、無線機が発する電波のカバレッジ外に移動すると他の無線機に携帯の情報がハンドオーバーする。
通話やパケット通信をしていようが、していなかろうが、携帯キャリアにはユーザの位置情報が把握されている事を意味する。
携帯会社はユーザがある程度どの位置にいるのか、移動しているのか等、置かれている無線機単位で位置情報を取得できるのだ。
AIS,DTAC,TRUEどのキャリアを使っていたか分からないが、おそらくこのルートを通った者はそう多くは無いはずだ。
タイでは日本とは異なり使い捨てのSIMカードを使う事が可能であるが、ある程度使用者を絞りこむことが出来るだろう。
そして、絞り込むことが出来たならば、現在絞り込んだSIM使用されているか携帯電話を確認すべきだ。
使用されていれば、身元を確認し、使用されていなければこのSIMの情報を調べて通話履歴等を調べれば容疑者が話していた相手先の情報を手に入れる事が出来る。
使用していた携帯SIM情報が手に入れば、その携帯で使用した全通信履歴を追う事も可能だ。
容疑者がエラワン廟に入った18時50分からルンピニ公園に到着したであろう19時頃のこの犯人が通った道のりの携帯電話使用履歴を徹底的に調べるべきだと思う。
おそらく、何かしらの有益な手がかりがつかめると考えている。
そして、私は今回の事件の犯人はプロのテロリストではないのではないか?と思っている。
なぜなら、この容疑者が携帯電話をバイクタクシーで使用していたからだ。
これはハッキリと犯人の足跡を残している事を意味する。
とてもプロの仕業とは思えない。
とにかく一刻も早く犯人が捕まる事を祈っている。
最後に
まだ、バンコクは安全ではない。
これからも予断は許さないだろう。
不安ではあるが、注意して行動していきたい。
私はこの事件が起きてから、BTSに乗ったり、人混みの多い所に行くのが怖い。
これは私の率直な意見だ。
もしかするとテロに巻き込まれるかもしれない。
テロが起こった日からそんな気持ちで毎日生活している。
でも、私はもう決して怖がりはしたくない。
私は2011年に原発事故が原因でタイに逃げてきた。
あの時は本当に怖くて仕方なかった。
そして、私一人だけ海外に逃げてきた。
もう、どこかに逃げたり隠れたりするのはごめんだと思っている。
2011年当時日本を捨て、逃げてきた私に対して私の周りのタイ人は優しく接してくれた。
バンコクの街も放射能が怖くて逃げてきた日本人に対して、迎え入れてくれた気がした。
私はタイが大好きだ。
そして、これからもずっと好きで居続けたい。
一刻も早く犯人が捕まる事とタイ、バンコク市民が安心して生活できる日常に戻って欲しいと心より願う。
タイ人の笑顔が見れる日はそう遠くないと信じている。