『マイペンライ(ไม่เป็นไร)』を正しく理解するものはタイを制す
タイで生活したり、仕事する上でも頻繁に使われるタイの言葉。
それが『マイペンライ』。
たぶんタイに行ったことがない人でも一度は耳にした事があるのではないでしょうか?
マイペンライは『問題ないよ』、『大丈夫』みたいな意味の言葉です。
たぶん皆さんご存知ですね。
私は個人的にこの言葉は物凄い重要な言葉だと思うんです。
今回はこの非常に有名なタイの言葉『マイペンライ』について記載していきたいと思います。
マイペンライを制する者はタイを制す
『マイペンライ』という言葉。
有名なタイ語はいくつかあります。
挨拶の『サワディーカップ』。ありがとうの『コップンカップ』。
気分がいいの『サバーイ』
これと同じくらいもしくはそれ以上に有名なタイの言葉がこの『マイペンライ』です。
タイ、タイ人を理解する上で非常に重要な言葉なんです。
現地語であるタイ語を話す事の重要性
まずマイペンライについて記載する前にタイ語について少し記載します。
コミュニケーションとしてのタイ語
外国人がタイ人とコミュニケーションを取ろうとするときに現地語であるタイ語を使って話そうとする事。
これには非常に意味があります。
やはり英語や日本語で会話をするよりもタイ語でタイ人と会話をした方が良いと強く思うのです。
私自身も経験があります。
私は日本で外資系企業に勤めていました。
その会社では多くの外国人が働いていました。常に外人と一緒にいる環境だったのです。
彼らの中にも日本語を話そうとする人と全く話す事は無く、英語で一方的に話しかけてくる人がいました。
『日本人が英語を使えばいい』
私は英語を一方的に話してくる外国人同僚に対してこんな感じに思っていました。
一方、片言だけれど日本語を使ってコミュニケーションを取ろうとしてくる外国人同僚も居ました。
日本語だけでの意思の疎通は難しかったですが、純粋に日本語で話そうと努力してくれる姿に共感を持ったのを強く記憶しています。
そして、日本語を話そうとしていた外国人ほど日本の文化や日本人に興味を示して色々な事を聞いてくれた。
結果的に英語だけを話す人よりも日本語を話そうとする外国人同僚と仲良くなっていました。
おそらくこの事はタイ人が外国人と話す、コミュニケーションを取る事に対しても同じことが言えるのです。
タイ語は簡単ではありません。
しかし、タイ語を使ってタイ人と話そうとする事これはタイ人にも良く思って貰えるはずなんです。
タイ語を使えば、タイ人とももっと親身に仲良くなれるはずなんです。
ビジネスの場でのタイ語
そして、タイ語を話す事。
これは、ビジネスの場でも生きてきます。
タイ人をマネジメントする上でタイ語は必須だと考えています。
よくありがちなパターンとして日本人がタイ人のマネージャーになります。
タイ語も話すことが出来ない日本人が、ただ日本人というだけでマネージャー職に就いてしまうのです。
ハッキリ言ってこれはマネジメントでも何でもないと思います。
しかし、現状タイ語が話せない日本人がタイ人のマネジメントを行っているケースが非常に多い。
相手の国の言葉を理解できないのに、その国の人のマネージメントは出来ないと強く思います。
まして、仕事のマネジメントなんてもっと難しい。
タイ語を話す事はタイ人と仲良くなる事、タイ人と仕事する上でも非常に重要なんです。
マイペンライは一番使われているタイの言葉
マイペンライの話に戻らせてもらいます。
たぶんこの『マイペンライ』はタイ在住の日本人全員が分かるタイの言葉でもあると思います。
タイに住んでいるけれど、タイ語が喋れない人は大勢います。
先ほどの話でタイ語を話す事は重要と記載したんですが、タイ語が話せない理由は大きく分けて二つあります。
簡単ではないというのが一つの理由になります。
2つ目の理由としてタイはタイ語が流暢に喋れなくても生活出来てしまうんですね。
そしてこのタイ語が話せないという事。
これは日本人に限った事ではありません。
タイとくにバンコクは国際都市です。
東京以上でしょう。
外人を見掛けない日は無いという位多くの外国人がバンコクで暮らしています。
そして、バンコクだけではないのです。
チェンマイ、プーケット、パタヤなどの著名な観光地から、バンコクと比べると数少ないですが、マイナーな地方都市まで色々な所で外国人が生活をしているのです。
タイは日本人のみならず、世界中の人を魅了している国だと言えます。
タイに住む外国人ですが、タイ語を話せない人の方が多いでしょう。
統計を取った訳ではないので、私が出会った人達から予測するに話せない人の方が多いはずです。
そんなタイ語が喋れ無い外国人でも知っている有名なタイの言葉がマイペンライです。
職場でもプライベートでも日本人も良く使います。
OK、OKみたいな軽い意味で使うんですね。
タイ人も良く使います。
本当に良く聞く言葉です。
おそらくタイで一番使われている言葉だと思います。
でも、マイペンライを本当に理解して、使っている外国人はほとんどいないとつよく思うのです。
間違った意味のまま言葉を使用する事の危険性
でも、このマイペンライって言葉実は簡単そうに見えて凄い重要な言葉なんです。
本当に色々な意味がある。
色々な意味を持つマイペンライ
マイペンライが持つ言葉の意味。
- 問題ない
- OK
- ドンマイ
- どうにかなる
- なんとかなる
- どういたしまして
- 大丈夫
- 気にしないで
似たような意味ですが、実は色々な意味があるんですね。
この言葉は色々な場面で使われます。
そして、伝える人のニュアンスや状況によって意味が変わってくるんです。
タイ人女性も良く使います。
浮気がばれた時にめちゃくちゃ顔が怒っているのにマイペンライって言う時があります。
この場合のマイペンライはあなたは『助かったぁ!!』と思うかもしれない。
でも、本当は『この世にお別れのサヨナラ』の意味なんですね。
この時のタイ女性が使ったマイペンライの意味は怒りの意味を込めた『お前はもう死んでいる』なんです。
これ以外にも色々な意味を持つ事があります。
マイペンライは本当にいろんな意味があり、状況によって意味が変わる言葉なのです。
タイ人のマイペンライ精神
マイペンライっていう言葉はマイは否定語なんですね。
タイの言葉の頭に付けると否定の意味になります。
ペンライっていうのは、問題であるとか、大丈夫じゃないというような意味になります。
タイ人はマイペンライは良く使うけど、ペンライはほとんど使わないですね。
私自身、タイ人がペンライって言ってるのを聞いたことがない。タイ人の中でペンライはNGワードなのかもしれない。
バンコクのスラム街に住む人達
経済の話を少しさせて貰います。
タイは東南アジアでも有数の発展を遂げた国です。
人々の生活は非常に良くなってきています。
日本と同じレベル、場所によっては日本以上のサービス、レベルを享受できる環境になるまでになっています。
そして、私はよくバンコクのクローントゥーイ市場に行きます。
バンコクの一番大きな市場であり、なんとなくアジアを強く感じるところなんです。
実はここはバンコクでも有名なスラム街でもあるんですね。
バンコクは東京と同じくらいの高層ビルが乱立していますが、未だにスラムも存在しているのです。
これはバンコクにあって、東京にはないとても大きな差がある部分と言えるのです。
経済成長著しいタイでも未だにスラム街が存在してるんです。
そんなスラムに多くの子供が生活をしている。
タイには日本にはない絶対的な貧困が存在しているのです。
日本人からすれば想像もできないような環境で子供たちが暮らしているのです。
日本だったら直ぐに保護されるでしょう。
でも、タイの政府はこのような子供たちを保護はしてくれません。
子供だけではないのです。働く事が難しい老人や身体的な障害を持った人もスラムに存在しています。
不法に入居している人たちなので原因不明の火事も何度も発生している。
たぶん、誰かしらの意図があってやってるんです。
彼らはタイ政府からも見放された絶望の世界にいると言っても過言ではないと思います。
私はよくクロントーイの市場で食事を取ります。
そのスラムに住む子供が私が頼んだ食事を持ってきてくれるんですね。
子供も一生懸命働いてるんです。
スラムにいる人達を見て思う事は彼らはマイペンライで生きていると感じます。
実際に聞いたわけではないですが、スラムに住む彼らを見て悲壮感などは感じません。
なんとなく、マイペンライ、大丈夫って感じが漂ってくる。皆幸せに見えるんです。
本当ならもっと生きる事にくじけそうになったり、どうにもならない状況に絶望すると思うんです。
でも、彼らスラムに住む人たちからはそんな感じは一切見受けられません。
彼らのマイペンライには普段外国人が使うOK,OKなどのような簡単な意味とは大きく異なる強い意味のマイペンライがある。
大切な事は状況によって意味が変わるマイペンライを理解する事
そして、職場にいるタイ人と仕事していても感じる所があります。
タイ人は大きな問題が起きた時もマイペンライを使います。
ペンライじゃないんですね。
タイに来た当初あるタイ人から客先で大問題が起こった時にマイペンライって思い切り正面切って言われたことがあります。
この時の内容は以前ブログにも記載しました。
会社の存続を揺るがすような大問題であったから私からするとその発言が本当に信じられなかった。
なぜ、このような場面でマイペンライを使うのか、理解できなかったのです。
でも、今なら分かります。
タイ人は本当はペンライだけれど、マイペンライを使うんです。
大きな問題が発生している事。被害が大きい事。
タイ人も問題である事の物事の本質は分かっています。
でも、タイ人はマイペンライを使うのです。
私はこの時にこのタイ人が使うマイペンライの意味をはき違えていたのです。
『どうにかなるだろう』という他力本願の意味で使っていると勘違いしていたのです。
この時にタイ人が使ったマイペンライはどうにかなるさという他力本願的な意味のマイペンライではないのです。
大丈夫。今やれる事だけをしっかりやろうっていう意味で使っていたんです。
ここにとても重要な所があるんです。
マイペンライは使う人によって意味が異なり、タイ人は決していい加減な意味でマイペンライを使っている訳ではないのです。
大問題が起こった時に言われた私はこの言葉を言われて、マイペンライを理解していなかったので大きく動揺してしまったのです。
タイ人はどんな窮地に陥っても、スラムのような過酷な環境に身を置かれる事になっても決して悲観的にならないのです。
タイ人は全ての事においてマイペンライを使っているんじゃないかと思っています。
それも、全てはマイペンライ精神が強くタイ人の中にあるからなのです。
最後に
この言葉の本当の意味を理解して、使っていくとタイで仕事する上でも重要だと思うんです。
最初は戸惑う事も多いマイペンライという言葉ですが、マイペンライを本当に理解して正しく使う事が出来る人はタイでの生活や仕事もきっとうまく立ち回っていけると思います。
私も色々な場面で正しくマイペンライを使っていきたいと思います。
私自身、窮地に陥った時に力強くマイペンライと言える自身がまだありません。
いつの日か、タイ人のように何事においてもマイペンライと言えるようになりたい。
そして、人生マイペンライって強く言えるような心の広い強い男になりたいと強く思います。