タイ人部下が副業で独立して、立場逆転! タイ人の副業成功事例
私の周りのタイ人スタッフも結構な割合で副業をしている。
そして、成功していく者は気持ちよく何事もなかったかのようにサラッと会社を退職していく。
タイ人は副業大好き
タイ人は副業が大好きなのだ。
日中体は私と共に同じ会社で働き、定時後は自分のビジネスを行っている。
皆本当に綺麗に18時00分00秒にオフィスを出て、自分のビジネスをせっせと行うのだ。
出社は遅刻は多いし、会議も直前で集まる。遅れる事も度々ある。
時間にルーズなのがタイ人なのだが、
定時近くなるとこの時ばかりは5分前行動ではなく10分前行動を取る。
トイレに行ったり、荷物を整理したり、帰る準備をし始めるのだ。
そして、帰って副業に励む。
タイ人は副業で成功して、副業を本業にするよう本業以上に精を出すケースも珍しくない。
虎視眈々と副業で一旗揚げる為、皆頑張っているのだ。
本業頑張ってくれと思う位、タイ人の副業への情熱は熱い。
そんな副業大好きなタイ人だが、私の直下で働くスタッフでも副業をしていて大成功したタイ人がいる。
今回私と一緒に働いていたタイ人スタッフの副業成功事例を紹介したい。
タイの副業事情
タイ人が副業をするのは3つ理由がある。
会社の給料だけではちょっとやっていけない。
タイでは物価が安いと思われている。
確かに外国人である我々から見れば物価が高くなってきているとはいえ、タイの物価は驚く程安い。
しかし、これは外国人から見た物価でタイ人から見るとそうでもない。
タイ人の給料もまだまだ安く、タイ人の給与水準に沿った物価なのだ。
会社の給料だけではあまり貯金も出来ない。
警察官も取り締まりという名の副業をする。
タイの道路で警官が道路で取り締まりをして違反者を見つけては違反金を巻き上げている。
私も何度500Bを払ったか、意味もなく道路わきに連れていかれ5回は払っていると思う。
これは副業でもあるのだ。
極端な例だが、タイの警察官の初任給は安い。
6000バーツだ。約2万円。
いくら物価の安いタイでも6000バーツはかなり厳しい給料だ。
逆にタイ人でも80000バーツ、10万バーツ貰っている高給取りなタイ人はゴロゴロいる。
私の会社にも実際に結構いる。
しかし、これはマネジメント層で、副業を行っているのは主にまだ若く、給料も安いタイ人に多い。
彼らタイ人は副業をして豊かになろうとするのだ。
独立心が強い。自分が一番。
タイ人は基本的にサバーイに生きる民族だ。
上から命令される事や少しでも嫌な人間関係があったらマイサバーイとなる。
上から命令される事も無く、人間関係にも悩まされる事のない自分自身でお金を稼ぐ事を好む。
しがらみのある会社組織に属するのではなく、自分で商売をするのが好きなのだ。
あまり会社組織で働く事に合っていない人達とも言えるかもしれない。
タイ人は自分なら出来るという自己意識が高く、自分でお金を作る仕組みを作り、副業を行う。
リスク、失敗を恐れない精神
タイ人は日本人よりもリスクを恐れない。
副業して起業したとして、会社を辞める事、定期的な収入がなくなる事や保証がなくなるに対して、あまり抵抗がない。
リスクを取ってでも副業、起業をして自分の力でお金を稼ごうとする
リスクを取らない事がリスクのようなイメージで果敢にビジネスにトライする。
失敗を恐れず、果敢にチャレンジする精神が副業をする一つの要因となっている。
タイ人の副業
私の周りで副業をしているタイ人は会社を興し、従業員を抱えるような大所帯では行っていない。
一人もしくは家族に手伝ってもらえる位の規模のスモールビジネスをみな行っている。
そして、皆真っ当な副業をしている。
ねずみ講のような怪しいビジネスをしている人は私の周りのタイスタッフにはいない。
副業成功したタイ人スタッフ A君
今回私と一緒に働いていた副業成功したタイ人 A君の副業成功例を紹介していきたい。
A君の副業
彼はバンナーにあるとあるエリアでIT系機器の販売をしていた。
IT機器は中国、台湾から安く仕入れて、タイで販売していた。
基本的にタイでは物を輸入する際に高い関税が課せられるが、これは知り合い等がいれば、賄賂等を渡し幾らでも安くなる。
彼もコネや裏技を持っていたようで台湾から仕入れたIT機器を安くタイに輸入していた。
このビジネス自体は彼が大学生時代から始めており、既にビジネスを始めて2,3年経っていた。
昼間は私と同じ会社で働き、日中体は彼の母親が店番をし、定時後に彼が店番を深夜まで行う形で切り盛りしていた。
彼は私が会社に入った同時期に大卒の新卒として会社に入社してきた。
マヒドン大学のインターナショナルを出ていたので英語も割と流暢で頭も良く、エンジニアとしても申し分無かった。
仕事は申し分無いほど出来た。
副業をしていたが、仕事も精一杯行っていた。
彼は仕事が大好きだった。
会社で解決出来なかった問題等を彼のIT機器ショップで同じ環境を作ってテストしたり、
仕事だけでなく、純粋にITが好きで常に勉強をしていた。
そんな彼の探求心から最終的に私のスタッフの中で一番スキルがあり、重要なエンジニアへと成長していくのである。
売り上げが上がってくる。
彼は本業であるエンジニアの仕事も一生懸命行っていたが、
同時に本業以上に副業にも精を出していた。
そんな彼の努力から売り上げも徐々に上がっていくのだ。
モノを売るだけでなく、HDD故障対応やIT機器関連のサービスも始めていった。
HDDのコピーだけでサービス料500B取っていた。
初めて聞いた時は正直に高いと思った。
こんなのITを知っている人からすればHDDのイメージを作って、コピーするだけなので1時間もあれば終わる。
IT機器に疎い人達をターゲットにしているのか分からないが、割とこのサービスも受けていたようだ。
そして、台湾から仕入れるルートだけでなく、Samsungと代理店契約を結んで新しい製品の販売も始めていった。
Samsungの代理店契約はかなり厳しい契約数を課せられるのだが、彼はその契約数も守り順調に販売を進めていった。
彼がIT機器販売の副業をしていた事は会社のスタッフ、顧客のユーザもほぼ知っていた。
スタッフやユーザも彼からIT機器を買ったりするようになっていった。
彼は職場で副業のIT機器販売を隠れて行うようになっていったのだ。
A君は人が良かったので私も少しは協力したいと思い、
イヤホンやiPhoneのケースなどの小物からPCのモニターなどの多少高額なものなどIT機器はMBKやパンティップで買うのではなく、
彼から買うようにしていた。
一度彼と会社の昇進に伴う面談をしたときに、昇進に対してはもう興味がなく、自分の仕事で食べていきたいと単刀直入に言われてしまった。
彼は副業でどうにかして成功したいという強い意志があったことが伺えるが、よくそんなこと言えるなと思っていた。
私は頑張れとしか、言えなかった。
そして、A君の副業は順調に売り上げを伸ばしていくのである。
ECサイトを立ち上げた途端に売り上げが急上昇。
販売エリアをさらに拡大する為、ECサイトを立ち上げてインターネットでも物販をするようになっていった。
仕事中暇があれば、常にECサイトで注文、発注の画面を見るようになっていった。
そして、IT機器の店舗を常に監視するべく、Webの監視カメラを取り付け、インターネット経由で常に店の状況もチェックするようになっていった。
私自身も彼のこの行動に気づいてはいたが、与えた仕事はしっかり行っていたので見て見ぬふりをしていた。
彼のこのECサイト立ち上げは大成功し、バンナだけでなく、バンコクしいてはタイ全土で新しい顧客を獲得し、大幅に売り上げを上げていく事になった。
彼は今まで以上に仕入れ代を使い、モノをさらに仕入れて、そして仕入れたものは直ぐに売れるような状況になっていった。
彼の一日の売り上げは結構な額になっていくのだ。
副業が忙しくなり、職場での立場逆転
彼は最終的に会社を退職するのだが、
退職する3か月前くらいから本当に仕事に対してやる気がなくなってしまった。
やる気がなくなったというか、副業が忙しくなり過ぎて、本業中も常に顧客に電話や母親に電話をして指示をするようになっていったのだ。
職場も度々SickLeaveをとるようになり、仕事中も常に自分のECサイトで発注状況を見るような状況になっていた。
彼は私の指示した事何でも聞いてくれたが、この頃からあまり聞いてくれなくなっていった。
無意味に口答えするようにもなってしまっていた。
もはや会社にはあまり興味が無く、今までにあった会社の上下関係もあまり関係がなくなっていたのだ。
辞めるのは時間の問題だと思っていた。
しかし、彼は最重要なエンジニアとなっていたので彼にしかできない仕事があり、このような仕事の場合は私が頭を下げるとまでは言わないが、かなりお願いをして仕事を頼むようになっていた。
しょうがないな忙しいけどやりますよ的な雰囲気が顔と態度から現れていたが、
彼は渋々私がお願いした仕事を行ってくれた。
もはや、上司と部下の関係ではなくなっていた。
むしろA君が上司で私が部下のような関係とも言えるかもしれなかった。
お願いをして仕事を頼むというような形になっていた。
そして、最終的に彼から呼び出しをされ、退職をしたいと言われてしまい、退職をする事になってしまった。
退職後のA君との関係
今現在A君は副業が本業となり、会社に属することなく自分の力でお金を得ている。
彼が会社を辞める直前は関係が悪化したが、今では会社のしがらみが無い普通の友達のような関係となっている。
会社で一緒に働いていた時は組織の中での上下関係やら仕事上での他スタッフからの信頼等色々なしがらみがあったが、今会社という組織に属さずタイ人と日本人という関係だけで改めて彼の生活、生き様を見ると正直にこのA君が物凄い羨ましい。
彼はIT機器販売の難しさも語ってくれた。
IT機器は数か月単位で新しい機器が出る為、数か月前最新のモノでも直ぐに鮮度が落ちてしまい、売れない在庫となってしまう。
彼は如何に早く売るかがこの仕事で一番重要という彼なりの商売哲学を語ってくれた。
A君は人並み以上に凄い努力をして、自分の環境を手に入れて、会社に属することなく自由に働いている。
副業、起業は本当に大変だと思う。
羨ましいけど、やっぱり会社員の方が楽だなと感じている。