円安 1ドル120円突破! 海外で働く、海外就職という新しい選択肢の可能性が広がる
長い間日本円は円高の状態が続いていたが、
1ドルが120円を7年4か月ぶりに突破した。
この円安はきっとしばらく長く続くだろう。
これは海外で働く者にとっては良い流れだ。
今回は円安と海外で働く事について記載していきたい。
円安の影響と効果
円安が止まらない。一ドル120円になった。
自動車産業や海外向けに物を輸出している企業については好都合だ。
今までよりも同じ製品が円安になるお陰で高く売れるからだ。
昨今のアベノミクスの影響もあり、円安株高という状況になっている。
簡単に円安株高の状況は下記2点で説明出来ると思う。
- 円が安くなると海外へモノを輸出している企業が恩恵を受け、輸出向け企業の株が買われる。
- 円が安くなる為、企業の株価が割安になる。外国投資家から好まれ、日本企業の株が買われる
⇒輸出企業の株価が上がる。
⇒日本企業の株価が上がる
結果的に円安になると全体として日本の株価が上がる。
私個人としては経済の専門家でもなく、資産運用のプロでもない為、ハッキリとは言えないが、
株価はギャンブルの一部で必ずしも円安になるからと言って株価が上がるとは限らないと考えている。
たまたま、日本の輸出企業が多く、海外での業績も良い等のタイミングが重なり現在円安株高の状況になっているに過ぎない。
今後円安株安になる状況もあり得ると思う。無いとは言えない。
今まで好調だった企業が不祥事を起こせば株価は円安だろうが下がるだろうし、
日本経済を牽引してきた日本の自動車大手メーカーも今後もずっと好調を維持出来るかは誰も予測できない。
SonyやPanasonicがサムソンにスマートフォン、テレビ市場で世界のマーケットからいとも簡単に追い出されたように
技術革新や戦略次第では今好調の企業もいつ危なくなるか、株価が下がるのかは誰も予想出来ないはずだ。
それが面白い所でもあるとは思うが、株価はギャンブルにも似ているのだと思う。
話が逸れたが、株価を切り離して円安だけで考えてみたいと思う。
円安とは
日本の円の価値が下がる。日本円が安くなる、日本の円を持っている日本人、日本の資産が安くなる。
簡単に言うと日本人が貧しくなるということだ。
この円安はしばらく続き、さらに加速すると思う。
まず海外からの輸入品は高くなると予想される。日本は多くの物資を海外からの輸入に頼っている。
普段使用している日用品から家具などの生活用品、その他多くのモノの価格が円安と共に上昇し、高くなるだろう。
海外旅行に行く際、円安のせいで物価が高いと感じるようになるだろう。
円安は企業の株価上昇の追い風となってくれるかもしれないが、
株価を持っていて含み益という形で株価上昇の恩恵を受けているのはほんの一部の人たちだけだと思っている。
我々一般市民が生活する上で必要なモノの物価があがり、海外旅行も高くつく。
円安は一般市民にとっては必ずしも良いものとは言えない。逆に生活を苦にする要因の方が多い。
しかし、この円安を享受できる人たちが株価を持っている人以外に存在する。
それが海外で働いている人たちだ。
円安の恩恵を受けれる海外で働く者達
円安を享受できるのは海外への輸出を主に行う企業、そして海外で働く人たちだ。
円が安くなるという事は外貨が高くなるという事。
海外で働いている人たちは現地の通貨、外貨で給料を貰っている。
円安になったからと言って海外で働いている日本人の現地通貨を円安と合わせて給料が減らされることはない。
そのままの給料を貰い続けられる。
日本円と現地通貨を相対的に見た場合、円安に進むことによってあなたが貰える現地通貨の日本円に対する価値が高くなるのだ。
円安による日本円換算の給料の変化
私は日本で働いていた際は外資系企業に勤めていた。
年収も一般的な同世代よりも多く貰っていたが、
タイで働く事によって給料は大きく下がった。年収にして200万円は下がったのだ。
私がタイに来た2011年当初は円ドルが80円程だった。今は120円だ。
タイバーツ、日本円のレートは2011年は1バーツ2.5円だった。今は3.5円だ。
一か月の給料が10万バーツだとして2011年当初は日本円換算にして1バーツが2.5円なので月収25万円だった。
しかし、現在は1バーツが3.5円なので月収35万円だ。
2011年よりも2015年現在は同じ10万バーツでも日本円にすると10万円も月収にして違いが出てくる。
これを年収に当てはめると12か月として120万円も年収が異なってくるのだ。
また、ボーナスやインセンティブ手当を含めると今現在の私の年収は日本の外資系で働いていた時とあまり変わりが無くなってきている。
どうだろうか?
円安によって海外での賃金に影響はかなり大きく出てきていると感じるはずだ。
また、今は東南アジアの経済はうなぎ上りだ。
今現在私が働いている東南アジアについて最後に記載していきたい。
東南アジアについて
現在東南アジアでは経済成長が続いている。
GDPも日本とは異なりマイナス成長などはなく、毎年上昇を続けている。
GDPという経済指標だけでなく、日に日に生活が良くなってきている。
東南アジアは貧しいというのはもはや古い。
まだまだ貧しい部分もあるが、みな消費意欲も盛んで、中産階級層も多く生まれてきている。
これから景気が良くなるという希望に満ち溢れている為、
借金をしてでも車、家を買うという流れが出来ている。
バブルに向かう高度成長期の時代の日本と似ているのだと思う。
私は日本のバブルを知らない、ロストバブル世代なのでバブルの体験をしていないが、
私の会社で働く50代の社長はタイ、東南アジアは日本のバブルに向かう時代ととても良く似ている、懐かしいと口癖のように話している。
東南アジア、タイはこれからも成長を続けていくだろう。
円安は海外で働く人にも恩恵を与えてくれる。
特に東南アジアは海外で働く場所として非常に魅力的だ。
東南アジアは中国とインドの間に挟まれ、地理的に非常に恵まれている。
今までは就職といえば日本国内のみ、日本企業のみを対象に就職、転職活動していたかもしれないが、
これからは海外に出て海外にある日本企業、ローカル企業、外資に勤める事を選択する人が増えると思う。
日本からさらに良い人材が東南アジアに流れて来て、市場を活性化し、より多くの優秀な日本人が世界を舞台に働く日はすぐそこまで来ているのかもしれない。
最後の最後になるが、
本当に大切な事は円安や株価に左右されるのではなく、日本が沈没しようが、企業が倒産しようが、
何処でも生きていける力、スキル、コミュニケーション能力、人間力を高めていくために海外で働く事は非常に良い経験となると個人的に思っている。
この円安があなたを海外で働かせる、挑戦する追い風となってくれるかもしれない。