タイの物乞いで働く子供達と日本人の二つの視点から見るタイという国
世界中の人が毎年タイを旅行者として訪れている。
タイを初めて旅行し、リピーターとなる人、移住する人。
タイの魅力に取りつかれる人は多い。
そして、移住者もめちゃくちゃ多い。
タイはいい国
住みやすいし、人も優しくて、個人的に本当に良い国だと思う。
日本人だけでなく、多くのヨーロピアン、アフリカン、色々な国の人もタイに移住している。
世界中の人を魅了している国だと言える。
タイは日本とは異なり、経済成長も続けていて、今後もっと住みやすい街になっていくだろう。
タイは世界中の人にとって共通したいい国なのかもしれない。
1つ気にかかる事
しかし、1つ気になることがある。
バンコクを歩いていると異様な光景を目の当たりにする事がある。
日本では絶対に見る事が出来ない。
彼らを見ると本当にタイは誰にでもいい国なのか疑問に思ってしまう。
それがタイの物乞いで働く子供達だ。
タイの物乞い
日本でも電車の駅や公園などでホームレスを見る事は出来る。
物乞いをしている人は見なかったが、
日本のホームレスは物乞いをする必要なく、国が最低限の補助をしてくれているからかもしれない。
私は日本で子供のホームレスましてや物乞いは見たことがない。
日本人は変な所でプライドが高い。
物乞いなどしたくないというプライドから日本のホームレスは物乞い、施しを請うことはしないのかもしれない。
一方、タイでは子供の物乞いが多い。
バンコクを歩いていると大人と同じくらいの人数が道で物乞いをしているのを目にする。
交差点などで信号待ちをしていると子供が勝手に窓を拭き、施しを請ってくる。
彼らはバンコクの主要通りであれば至る所にいる。
母親と一緒に物乞いをしている子供、一人で空のコップを持ち物乞いをしている子供、花などを売る子供。
彼らを見掛けるとタイが万人の人にいい国という事に疑問を感じざるを得ない。
タイは圧倒的な格差社会
タイのお金持ちはとんでもないくらいお金持ちだ。
私の会社にいるスタッフも働く必要が無いほどお金持ちのスタッフがいる。
バンコクでもベンツやフェラーリなどの高級車を見かける。
コンドミニアムも、タイ人の上流階級が投資目的で購入しまくっていると聞く。
実際に部屋の明かりが付いていない多くのコンドミニアムを見る。
部屋が売れていない訳ではなく、投資目的で購入しているので実際には住んではいないだけなのだ。
タイのお金持ちは有り余る富を持つほどのとんでもないお金持ちなのだ。
一方物乞いの数は本当に多い。
街で見掛ける彼らは来ている服は汚れていて、髪の毛もボサボサ、生活に困窮しているのが外見からでも判断できる。
生後何か月かの生まれて間もない赤ちゃんを抱く母親、4,5歳の子供、手足のない大人、70歳近い老人。
数多くのタイ人が道端で物乞いをしている。
そして、子供の物乞いがいるすぐそばの道でベンツなどの高級車が走っていたりする。
日本も今、富める者と貧しい者の格差が社会問題となってきている。
しかし、日本とはおよそ比べ物にならない程の格差がタイには存在している。
日本では子供の物乞い、老人の物乞いはまず見る事が出来ないだろ。
ここタイでは日常の風景として日々物乞いを目の当たりにしてしまう。
タイは圧倒的な格差社会なのだ。
物乞いが生まれる理由
タイは今失業率1%を切る国だ。
どこも仕事に溢れている。
人手が足りないような状況だ。
しかし、何故ここまで多くの物乞いがいるのか?
大きく分けて二つある。
働く事が難しい環境で社会保証が無い
子供がいて、働く事が出来ない。
老人の為、働き口がない。
生活保護はあるにはあるのだが、最低限の生活をするに至るほどの保護をしてくれない。
だれも助けてくれない現状があるのだ。
ビジネスになっている
物乞いの多くはタイではカンボジアやミャンマーから来ている人たちも多い。
彼らはビジネスとして物乞いをする。
彼らの多くは子供と一緒に物乞いを行う。
子供を誘拐したり、さらに慈悲深くさせる為手足を切ったりする。
実際にそういう物乞いも見掛ける。
そして、日に数百バーツから数千バーツの売り上げを上げる。
物乞いにお金をあげるなという決まり文句もあるが、これもここら辺が理由になっていると思う。
物乞いがいる理由は一つではないと思う。
しかし、一つ言える事は子供が犠牲になっている事だ。
物乞いから見えるタイという国
そして、彼らの目から映るタイという国はどういう国として映っているのだろうかと思う。
私は子供の頃に物乞いをしていないので、彼らの視点に立つ事は出来ない。
しかし、決して良い国だとは思えないはずだと思っている。
最低限子供には物乞いなどをさせず、勉強する時間などを与えるべきはすだ。
タイ政府や警察も分かっているはずだが、見てないふりをしているとしか思えない。
これはタイの深い闇の部分であると言える。
今後の課題
タイが本当の意味でいい国になるには物乞いの問題を解決するべきだと思う。
タイは多くの日本人にとってはいい国かもしれない。
しかし、物乞いをしている子供にとっては決していい国とは思えない。
クソみたいな国だと思う。
日本も戦後には多くの物乞いがいた。
その当時は今の日本のように生活保護のような制度なく、親や親族のいない子供を保護する施設もなかった。
一般の日本人の多くも精一杯自力で生きていくしかなかった。
しかし、今のタイは戦後の日本とは大きく異なる。
生活保護の制度を整えたり、物乞いをしている子供を保護する施設もつくる事は難しくないと思う。
経済発展と合わせて、生活保護など最低限の社会保障を整えて欲しいと思う。
社会保障が整えば、タイは万人にとっていい国になるに違いない。