タイ人がタトゥー、刺青を体に彫る理由
タイで生活しているとタトゥーをしているタイ人を街角で良く見かける。
牙のような形、象や虎などの絵を掘っている人が多い。
あの特徴的なタトゥーは何なのだろう?みんな似たような形をしている。
なぜ、タイ人はタトゥーを入れているのか?
気になって仕方なかった。
私のタトゥーに対する想い
日本では古くから任侠の世界でタトゥー、刺青が一般的だった。
タトゥーを入れると銭湯や温泉やプールに入れない。
公共の場ではタトゥーをしている所にシールを張ったり、なんとかして隠さないといけなかった。
イングランドの元サッカー代表のベッカムも日韓ワールドカップでは長袖を着用して試合に臨んでいた。
彼の体には全身タトゥーが施されているのだが、日本人のタトゥーに対する潜在意識(悪いモノ)を理解し、
タトゥーの露出を控えていたのだ。
しかし、今の日本ではファッションとしてタトゥーが若者の間で一般的になってきている。
タトゥーを入れているのはヤクザや極道というのはもはや一昔前の話でもう古い。
私はサーフィンをしていたので良く海に行っていたのだが、夏の海ではかなりの数の人が体にタトゥーを入れていたと思う。
自分の好きな言葉や絵を体に入れている人を日本でもかなり見掛けた。
そして、そんな私自身もタトゥーを入れたいと強く思っていた時期があった。
それがある人の影響だった。
Red Hot Chill Peppers
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ は、アメリカ合衆国カリフォルニア州出身のロックバンド。
日本での通称は「レッチリ」。
世界での主な通称は「RHCP」や「Chili Peppers」。
ファンクとヒップホップを、パンク・ロックやハードロックなどと混ぜ合わせた、ミクスチャー・ロックと呼ばれるバンドのひとつ。
現在、オリジナル・アルバムを10枚、ベスト・アルバムを2枚発表している。
2012年に、ロックの殿堂入りを果たした。
私はレッチリが大好きだった。
中学生位の時からレッチリを聞いていた
1984年のデビューから既に30年経っているが、未だ衰える事は知らず、第一線で活躍し続けている。
彼らのデビュー当時の30年前の曲を聞いても、古臭いとは感じない。
特にUnder the Bridgeは最高。今新曲として出しても今の世代の人、若者にもウケると思う。
良いものは時代を超えて良いもの。
そんなことを感じさせてくれるのがレッチリの曲だ。
またレッチリのボーカル アンソニーがめちゃくちゃカッコ良くて好きだった。
レッチリのボーカルはサーファー
レッチリのボーカル アンソニーはサーファーで有名だ。
下記写真は東南アジア フィリピン ミンダナオ島 北部にあるシャルガオ島というサーファーには有名な場所でのサーフィン。
このシャルガオ島は私も以前行ったことがあるのだが、サーフィン以外は何もする事がないという位、何もない所だ。
何もない所だが、極上の波が立つ有名なポイントでサーフィンの世界大会も開かれている。
世界のロックスターがこんなとこにくるのは良い波がある証拠だ。
私はサーフィンが大好きだった事もあり、同じサーファーであったレッチリのアンソニーに尚更惹かれていた。
アンソニーのタトゥー
アンソニーは体の数か所にタトゥーを入れていた。
彼のルーツはネイティブ アメリカン、俗にいうインディアンだ。
彼の体に彫ってあるタトゥーは彼のネイティブアメリカンとしてを象徴するデザインを至る所に入れていて
特に背中一面に入ったネイティブアメリカン独特の翼のようなカッコいいタトゥーを入れていた。
私はこのアンソニーのタトゥーに憧れてタトゥーを入れようと決心していた。
前置きが長くなったが、タイのタトゥーについて記載していく。
タイのタトゥー サクヤン
タイ独特のタトゥーだが、調べていくと仏教的な所から来ている事が分かった。
このタイ独特のタトゥー名前はサクヤンという
サクヤンとは
タイで一般的に見られる幾何学模様や動物をモチーフにしたタトゥー。
通常のタトゥーではなく、僧侶やアチャーンと呼ばれる人が長さ40~50cmほどのメタルロッド(マイサック)で突いていくサクヤンと呼ばれるタイの伝統タトゥーなのです。
サクヤンとは、タイ語でサック(入れ墨する)、ヤントッ(護符)、つまり護符を体に入れるという意味、
このサクヤンを入れると、運命を変える力や悪い宿縁から逃れる力、また悪霊から主人を守護するなどの神秘的な力が備わると信じられています。
日本とのタトゥーの考えの違い
タイのタトゥーにはタイ人の願いや仏教の信仰心が強く反映されている。
これはレッチリのアンソニーが自分のルーツであるネイティブアメリカンのデザインやポートレートを体に入れているのと似ている。
日本人は流行り、ファッションで入れる人が多いと思うが、
タイのタトゥーは幸せになりたいという強い思いから皆体にタトゥーを入れているのだ。
アンジェリーナ・ジョリーもサクヤンを体に彫っている
余談だがあのアンジェリーナ・ジョリーの体にもサクヤンが刻まれている。
ハリウッドの大女優も魅了しているサクヤン。
タイ人がタトゥーを入れる理由
サクヤンは、タイやカンボジアの下級階層を中心に立身出世、貧困からの脱出、良運、安全祈願等の願掛けの意味で、僧侶やアーチャンと呼ばれるサクヤンマスターに入れて貰います。
しかし現在のサクヤンは、願掛けとして気に入った図柄を気軽に彫る傾向にあるようです。
時代とともに伝統や儀式がカジュアル化しつつあるものの、より良い生活、より良い人生を望む人々の気持ちは、今も昔も変わらないようです。
タイでは幸せになりたいという、ささやかな願いのこもったサクヤンをもとめて、毎日数多くの人がサクヤンを入れています。
タイでタトゥーはゲン担ぎや護身のような意味があるのだ。
なぜタイ人がタトゥーを入れているのかしっくり来た。
日本のようにファッションとしてタトゥーを入れたりしているのではない。
タイ人は本当に仏教を強く信仰している。
仏教の信仰心から皆タトゥーを入れているのだ。
VICEの番組で日本女性がサクヤンを体に彫る映像。
私自身アンソニーのタトゥーに憧れていたが、
公共の温泉やプールに行けなくなるデメリットや痛そうという一番の理由から結局タトゥーは入れなかった。
タイに住んでいるのでこれからもしかしたらタイ独特なタトゥーのサクヤンを入れる可能性も無いとは言えない。
しかし、下記日本女性がサクヤンを彫っているのを見て私には無理そうだと悟ってしまった。
こんな痛い思いをしてまで入れるのだから、タイ人は本当にファッションではなく、
強い信仰心や希望から体にタトゥーを入れているんだと感じた。